買い物でクレジットカードを使うと、サインを求められないことがあります。これはなぜでしょう?

0627bクレジットカードを利用するとサインを求められることが普通である、と思っていましたが、最近はそうとも限らないシーンが増えてきたように感じます。

例えばスーパーの買い物でクレジットカードを使うと、サインを求められないことがあります。これは、サインレスという日本独自の制度が成り立っているからです。

本来、クレジットカードの買い物においては本人認証や不正使用防止のためにサインを必要とする、ということが世界共通のルールなのです。

そのルールから外れたシステムが導入されているのには、日本人の心理的な働きや根強い文化の影響があります。

レジでサインを求められた場合、後ろに並んでいる人がいたらサインをする手間分の時間を待たせてしまう必要があります。

アメリカのスーパーでは、サインのために人を待たせているという場面はよく見かけられます。

後ろに並んでいる人も、それはごく普通のことなので当たり前に待つわけですが、日本の場合そうはいきません。

これは、日本とアメリカの販売取引の支払いに関して、文化の発展の仕方に違いがあったからです。

アメリカは従来、現金で買い物をするより小切手での買い物が主流であり、サインをする機会が多いのが当たり前でした。

しかしながら日本では、現金での販売取引が基本であるため、買い物の際にサインを必要とする機会がそもそも少なかったのです。

近年でもスーパーでクレジットカードを利用する販売取引はまだまだ浸透しておらず、現金で支払いをする方がほとんどです。

これまで、販売取引の際に伝票にサインをする、という行為が当たり前ではない日本人が、スーパーのレジで待たされることには疑問を感じざるを得ないのかもしれません。

この文化の差が、クレジットカードを使う場面によっては日本人独特の心理的な懸念を生み出します。

わざわざ後ろの人を待たせてまで、現金で支払える金額に対してサインが必要なクレジットカードを使うということは周囲に迷惑をかける、と感じてしまうのです。

結果的に、周囲に迷惑がかかる事を避けようとクレジットカードを使うという行為そのものを避けてしまいます。

そのため、スーパーの食品レジ等ではクレジットカードを使うことへの抵抗感をなくして利用の促進を図るために、人を待たせる原因となるサインを手順から抜いて、サインレスという独自のルールに至ったという経緯があるのです。

それでは、本人認証や不正使用防止を目的とした手順を飛ばしてまで導入されているサインレスというシステムは、どのように成り立っているのでしょうか?

実は単純に、クレジットカードを提示した人間を「正規の所有者である」と暫定して販売取引を行うという、かなり強引なシステムになっているのです。

この場合、サインレスを利用したクレジットカードの持ち主が「自分は使っていない」と断言したとします。

すると、サインをもらっていないカード会社は、その人が使ったという証拠のサインを出す事ができない為に請求を取り下げなくてはなりません。

そのようなことが起こらないという、クレジットカードをサインレスで利用する人間への絶対的な信頼が前提となっているのです。

また、利用する側もその信頼に応えて、利用したものを「利用していない」などと言うことがあってはならないという、まさに性善説ともいえる不確定な要素の上に成り立っているシステムなのです。それを成り立たせているものこそ、日本独特の心理と文化があってこそなのかもしれません。

もちろん、いくらでも使えるという状況でこのシステムが成立してしまうと、万が一の場合にカード会社の損害は計り知れないものとなります。

また、不正使用があるとすれば、目的は高額商品の転売が考えられます。

そのため、換金率が高いと考えられにくいスーパーのような食品売り場のレジではサインレスの導入が可能だったということも事実の一つです。

しかし、食品売り場でも高く換金できる商品は存在します。長期保存が可能な缶詰等は、転売ルートにより高く換金することができるのです。

システムを利用していかに利益を得るか、まるでマネーゲームであるかのように犯罪者はありとあらゆる手段でクレジットカードのサービスを悪用します。

もちろんカード会社としても、損害が生じるような事は防ぐ必要があるとともに、正しく利用している顧客に被害が及ぶことは避けたいのです。

そのため、一回の利用額に制限を設けたり、サインレスを利用できる回数に制限をかけたりと色々と対処を試みます。しかしながら、これはサインレスに限らずサインがあったとしても、不正使用の実現を目的とする犯罪者の手口とのイタチごっこにすぎません。

少なくとも、自分自身が不正使用による被害を受けることを避けるために、暗証番号や所有するクレジットカードの管理をしっかりと行うよう心掛けたり、自分でできる対策をしっかりと行う必要があるのです。

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